「嫌いなものは殺してしまう、それが人間のすることか?」
「憎けりゃ殺す、それが人間ってもんじゃないのかね」
シェイクスピア「ヴェニスの商人」
物書きサークル「Hydrangea Macrophylla」こと「あじさい」の、五作目。
今回は二人の作品、二本が収録されています。
毎度お馴染み、いずれも伝奇〜現代ファンタジー風味です。
今回も認識とか、都市伝説とか、魔道士とか、式神とか、仔猫とかに興味のある方向けです。
■TAT-HON
イベント開催日時:2007/03/21(水)10:30〜14:30
イベント開催場所:東京都立産業貿易センター(浜松町館)3F全面
頒布スペース:F-7
2007.03.21 : 初版頒布
――世界は理不尽なんだよ。
「人殺しが天職」とうそぶく、「正義」の肩書きを持つ魔道士・鹿野園貞光敬之助は、人殺しに興味を持つ少女、椿森香野子に出会う。
人殺しをすること、そして正義の意味を語る二人の間には、奇妙なシンパシーが生まれていく。
けれど二人の間には、小さな小さな溝があった。
互いに強く惹かれ合いながら、その「魔道」という名の溝に足を取られた二人は、それぞれの正義を貫くために――殺し合う。
高卒で就職し、紫煙を燻らせるように日々を過していた「先輩」は、駐車場で一匹の仔猫と出会う。
幼き身ながら一人で生きている仔猫に親近感を覚え、共に居る時間をより優先させるようになる。
仔猫に依存した生活を送り初めて迎えた雨の休日、「先輩」は瀕死の怪我を負った仔猫を見つける。
嘆く「先輩」の前へ現れたのは、課内のムードメーカー的存在である「飯森安威」。
――このコを生かすも殺すも、先輩次第です。
そう言い放った彼女は「世界」を書き換える「律動」を操り、「先輩」の意志を試す――。
A5版 - 96ページ